会長のアハハブログ | 自然形体療法のいま・これから

基本に戻ることの大切さ

掲載日:2016年03月26日

自然形体療法による施術・・どんなこと
をするのですか?良くあるご質問です。

 

来られますとまず現状をお聞きします。
その前に部屋に入ってこられた時からの
様子も細やかにチェックする対象です。


いつから、どこが、どのように、どの時間帯
に、どうするとどう痛むか、どんな日常生活・・。


こうして得た情報をまず頭に入れて
実際に施術していきます。

 

痛みの種類について自然形体療法では20か条
に分類して定義し、その痛み解消の手法
もきちんと整理されています。


そして、「基幹の型」という基本形の手順に従い
全身の状況を詳細に確認・把握しながら必要な
手法を順次選択し施術を進めます。

 

会員はこれらのことを日々修練・実践しています。
と、こう書きますと全員が整然と正しい手法で
最も効果的な施術をしているように思われると思います。


ところが残念なことになかなかこれが持続しません。


日々使っているうちに知らず知らずのうちに「クセ」
「自己流」「我流」が身についてしまいます。


3月16日、17日の二日間、東京品川で「身体の匠」
という称号を創始者から与えられた9名が定例の
研修会を行いました。


今回は4月20日、21日京都で全国の会員が集まる
全体研修会に向けての準備を兼ねてのものでした。


基幹の型の一つ一つの手法を点検し、要点を
整理していきました。


基幹の型の流れの一部をご紹介しましょう。


①最初は両上肢挙上検査(通称バンザイ検査)
 この検査で肩関節の可動、体幹の歪み、これに
 関連する筋肉の緊張度合を調べます。


②ASIS検査
 この検査で骨盤の前後のズレ、骨盤の傾きを検査します。
 創始者山田先生がお亡くなりになる直前、晩年には
 こうした歪みやずれを一瞬のうちに整える
 新手法も発表されました。


③腹屈検査法
 仰向けで両ひざを曲げ大腿骨骨頭の位置を精緻
 に調べる方法です。
 MRIやレントゲンでも拡大して見ることができない
 ずれを的確に把握できる方法です。
 これも②と同様、晩年更に的確な検査法が確立されました。


④体側、体表検査
 うつ伏せになって背中の歪みや膨隆を検査します。


⑤蕀突起検査
 背骨の歪みを蕀突起の流れによって検査するものです。
 うつ伏せになった状態で
 背骨をなぞって異常個所を把握します。


⑥PSIS検査
 骨盤のズレを検査するものです。


⑥瞬時触定法
 うつ伏せ状態で、背骨を軽く1∼3か所ほど触るものです。
 これで歪みを一瞬のうちに整える自然形体療法の
 特徴的な考え方に基づく手法です
 晩年にはこの方法も更に進化改善されています。


⑦下肢後方牽引法
 体幹の歪みや緊張を取る手法で、うつ伏せで交互に
 脚をけん引します。

 

⑧腹屈三方牽引法
 腰椎や腸骨・仙骨・尾骨の歪みを整える手法です。
 わかりやすく言えば両ひざを曲げて腹屈し片足を
 交互に上方・外方等に倒すことで
 著効をもたらす手法です。

 

こうした手法で検査確認し歪みを取り整えていきます。
もちろん歪み方も整え方も千差万別ですので5000以上
ある手法の中から最も相応しい手法を選定し施術します。

 

最高位にある「身体の匠」にとっても会員に
とっても、こうした手法はごくごく初歩的な
基本中の基本です。


ところが何時しか自己流が身についています。


きちんと細部まで一つ一つの動作を細分化
しながら基本に忠実にしてみると効果が全然違う。


わ~ッ凄い!と思わず歓声が上がるほど効果が
違うのです。


単純なものほど奥が深い。
基本に戻ることの大切さを
毎回実感しています。


全国には自然形体療法という本家本元の研修を
創始者山田先生から、あるいは身体の匠から
習った人は300名以上います。


更に、名前を変えているからわかりませんが
こうして習った方からさらに習った方も同じくら
いいると思います。


創始者山田先生は生前3カ月もするとみんな
我流になってしまうと仰っていましたが
まさしくその通りです。

 

いいものが広がっていくのはとてもいいことですが、
これが元自然形体療法かと思うほど形は似ていても
中身が違って変質しているものが多いです。


これも創始者の言葉。
「自然形体療法は下手でも治ってしまう。だから
すぐに練習しなくなる」


下手でも基本的な痛みや不具合は解消できます。
ところがちょっと複雑になると何回やっても効果が出ない。


「同じようなことをする治療院に通っていたのですが
よくなりません」こうした方が多く来られます。

 

少なくとも山田先生の晩年に習った先生方は
先生考案の特許製品マザーキャットという緑の
シリコン製の施術道具を使っています。


これは筋肉の癒着解消に、あるいは脳へのアプローチに
著効があります。


自然形体療法総本部認定の会員の施術レベルを最高位で
維持するための研修と練習を地道にやっていきます。

 

本当に喜んでいただける自然形体療法の施術院になる
近道はこれしかありません。